48Vが照明を変えてゆく!


欧州照明に見た変化


カタログを眺めていたら

このところ、照明デザイナーの間で「DC V48は照明界のアイドルになれるか?」という会話が交わされていました。この表現はみんなが知っているアイドルグループ〇〇〇48にかけられているのですが、照明界においても48という数字が注目を集めつつあり、ちょっとした話題になっています。

 

照明の低電圧化の試み

COVID19のせいで、海外の照明の見本市には出かけることが出来ない日々ですが、必要に応じてヨーロッパの照明メーカーのWEBサイトをチェックしています。すると、そこにある共通の変化が見られることに気がつきました。それは電圧欄にDC V48と記載されている器具が増えてきていることです。


今日はちょっと電気的なお話なのですが、私たちが日本で使っている電気は、交流の100Vもしくは200Vという規格になっています。ところが海外に行くと、同じ交流でもアメリカは110Vだし、ヨーロッパだと230Vであったりします。パソコンなどは電源にアダプターが挟まれており、入力は100Vから240Vまでどの電圧でもOKというものが出ていますが、照明の世界では各国の電気の事情に合わせて作られてきました。


しかし、LEDが世界を席巻した今、もはや交流ではなくて直流の電気が必要になり、また100Vや230Vなどという高い電圧は照明器具自体には不要となってきたのです。

そこで満を持して登場してきたのがDC V48(直流48V)という電気なのです!


なるほど、そうなのか!と手を打ってみたところ、ではなぜDC V48の48という数値なの?という疑問が出てきちゃうじゃないですか! 

 

安全性?EVシフト?

48Vには一体どんな背景があるのだろうか?と思い、調べてみました。すると、日本電気協会による安全な電圧は50V以下、またオランダでは50Vとなっていました。


また最近の欧州自動車産業は、メーカーを跨いで電気自動車とプラグインハイブリッドカーの駆動モーターを動かす電気をDC V48に揃えてきていることです。その流れは、自動車のバッテリーが12Vだったので、その倍数に当たる48Vが、いろんな意味で効率よい数字だったようです。


さらに調べてみると、日本製のハイブリッド車が交流の200Vのモーターや専用のバッテリーを使用しているのに対して、小型で低コストになるメリットもあったという訳です。

 

照明デザインへの影響

PROLICHTカタログより
PROLICHTカタログより

さて、再び私たちの照明の世界に目を向けてみましょう!


電圧が低くなるといいことがたくさんあるようです。


① 照明器具に仕込む電子回路の部品が少なくて済むので、今までよりもコンパクトで機能性の高い器具を作ることが可能となります。例えば、天井につけるライティングレールのような器具の場合、日本のAC V100のものだと、レールの幅33ミリに対して、DC V48のものは20ミリで見た目もスマートです。


② 商品が小さくなれば、梱包資材を少なくすることができますし、輸送コストまたそれに伴うエネルギーを少なくすることができます。


③ 新しいライティングレールには信号を送る回路も組み込まれていて、ライティングレールに取り付けたスポットライトを個別につけ消ししたり、個別に調光することだってできる工夫を付加しています。


新しい時代の照明のインフラはDC V48!という音頭をとることによって、照明業界のあたらしいシステムの国際統一も一気に加速するかのようです。


全世界の照明用インフラが統一されれば、国ごとの面倒な枠がなくなって、広く商品の流通が可能となり、なおかつ安全性が向上した優れた照明器具の登場は、電気工事の手続きがシンプルになり照明がもっと身近なものとなるのでしょう!海外に旅に出た時に、気に入った照明器具を見つけて購入したら、帰国したその日からそのまま使えるようになるわけです。これまではそんなことさえ簡単ではなかったことが普通になったりします。


DC V48が、照明の世界をボーダレスにしてくれると思うと、応援していきたい!という照明デザイナーが多くいるのもうなずけますね。


#光のソムリエ #DC48V

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