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  • 執筆者の写真東海林弘靖 / Hiroyasu Shoji

「おもしろいね!」新しいLED電球


新しいニーズに応える新製品


10年ぶりのご連絡から


先日、かつてムック本の「照明特集」で大変お世話になった編集の方から、一通のメールをいただきました。その内容は、今度移籍した出版社で担当している雑誌で照明のページをつくりたいので、ぜひ協力してほしい・・・とのことでした。


その編集者は、一般誌の出版に携わっていらっしゃるので、「照明」という特集を組むことなどほとんどなかったのでしょう。しかし、久しぶりに「照明」というキーワードが登場した時に、ご指名いただいたのですから、私としては大変光栄なこと、喜んでこの仕事を引き受けることにいたしました。

 

新LED電球の機能とは?


詳しい話を聞けば、新しいLED電球が発売されることになり、プロの視点からその商品を解説してほしい・・・というものでした。そして、その商品は現在秘密裏に発売を待っているので、「商品の内容など詳しいことは、一切教えることができない」「こちらの指定する日時に、指定する場所に来てほしい」「そこで感想を述べてほしい・・・」、おおむねそのような依頼内容で、何やらワクワクした気分になってまいりました。


この不思議なオファーを楽しみに、当日、指定の場所に出向いてみると、その新商品とは、“2つのあかりに切り替えられる”という特徴を持ったLED電球でした。一見、何の変哲もないLED電球なのですが、点灯状態から一度電源を切って、すぐに電源の再投入をすると、あら不思議!前とは違った色温度になっているではありませんか!

 

時代で変わる照明シーン

『Good’s Press』徳間書店 2014年8月号 P.88~91「暮らしが変わる!あかり使いこなし術」
『Good’s Press』徳間書店 2014年8月号 P.88~91「暮らしが変わる!あかり使いこなし術」

このLED電球を開発された方に聞けば、「最近は家庭で、リビング学習をする小学生が増えてきているので・・・」、つまりダイニングテーブルが学習の場になっているのだという説明を受けました。「したがいまして、当社といたしましては、学習時は、色温度を高く(6200K)し、夕食時には色温度を低く(2700K)できるLED電球を開発してみました。東海林さんいかがでしょうか?」


私もこれはなかなか面白いモノではないかと思いました。このLED電球は、数種類のシリーズとなっていて、そのラインナップは大きくは「明るさ切換えタイプ」と「光色切換えタイプ」の2種類がありました。電球自体は一般的な家庭で使われているE26の口金にそのまま使えるもので、特にスイッチや照明器具を変える必要もないので、一般の方にとっては簡単に取り入れられるスグレモノということになるのです。


「光色切換えタイプ」にはダイニング向けと浴室向けという2種類がラインナップされていて、浴室向けの使い方イメージは、朝に浴びるシャワーの時には“朝日を浴びるように色温度を6700Kでパワフルに”、しかし、陽が暮れてからゆったりと湯船につかる時には2000Kに・・・そんなイメージ想定だというのです。

この話を聞いていて、即座に「おもしろいね!」と思いました。

何が一番そう思わせたのかというと、このLED電球を買って来れば、その日から想定される照明の効果が実現できるという「敷居の低さ」ゆえに、この電球から日本の住宅照明も変わっていくのではないか!と考えたからなのです。

 

“デリシャス”な照明時代がいよいよ


このLED電球シリーズには、もう一つ別のタイプ「明るさ切換えタイプ」もあります。それは、廊下の照明をイメージしたもので「普段のあかり」のほかに、「深夜のあかり」のモードが選択できるというのです。


こちらは、色温度の切り替えはできないのですが、普段の60ワット相当(白熱電球換算)に対して、深夜にトイレに目覚めた時にぐっと明るさを控えた優しい光を発するのは、とてもヒューマンなことではないでしょうか? トップ写真でも紹介しました私の著書『デリシャスライティング』の中にも、「ミッドナイト・ダークライト」と題する真夜中のトイレ照明のレシピがあるのですが、2007年出版本の中では小さなLEDが内蔵された電球型蛍光ランプを用いてのレシピでした。今だったらこのLED電球に置き換えてもよいかもしれません。 日常のふとした瞬間を、「こんな電球があったなら・・・」と考えた開発スタッフの皆様に拍手を送りたいと思いました。


さて、このシリーズ、次なる商品の展開は示されていないのですが、もしこのシリーズに追加されるのならどんな面白いアイディアが加えられるのでしょうか? たとえば、「行ってらっしゃい×お帰りライト」というのはどうだろう? 朝に玄関で「行ってらっしゃい!」と見送る時には6700Kでパワフルに、そして深夜に帰宅するお父さんのためには2000Kしかも廊下の灯りのように出力を下げて「お帰りなさい」と・・・あるいは、ベッドルーム用には、2700Kの普通のあかりと少し眠りを誘いそうなやや桃色がかった色を切換えタイプなどなど・・・これからもっと様々な用途やカラーが登場し、もっと家庭の照明事情が面白いことになっていけば良いと願うばかりです。


2010年頃からはじまった電球からLEDへの変換は、だいぶ移行が進んだ時期ですが、省エネを目的とするだけでなく、このような暮らしを豊かにするアイディアが素敵な商品を生み出してくれるのは、とても嬉しい気分になるのです。


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