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  • 執筆者の写真東海林弘靖 / Hiroyasu Shoji

“夕日ライト”が優秀だった話

更新日:2022年12月14日


夕日ライトでオレンジ色に照らされた棚の上に玩具が飾られている
Photo by LIGHTDESIGN INC.

大人も虜にするLEDガジェット


インターネットを眺めていたら


このところSNSに突然入ってくるWeb広告を見ていると、時折なんだこれは?と目がとまる興味深いLEDガジェットに出会うことがあります。かつては面白い照明器具を求めて秋葉原の電気街を歩いたり、大きなホームセンターの電気材料コーナーでひと棚ひと棚じっくりチェックすることを楽しみにしておりましたが、今の時代はインターネットから何気なく流れてくる情報から面白い商品にたどり着いたりします。そんな時代の変化をかんじつつ、光のソムリエも唸るなかなか楽しいガジェットと出会ったのでご紹介してみます。

 

早速、試してみました


この商品は検索エンジンで“サンセットライト”“夕日ライト”と検索すれば、いとも簡単に見つけることができます。値段は2000円台と手頃に仕上げられ、特にムズカシイ技術を使っていないにもかかわらず、不思議な光を見せてくれるところがいい感じなのです。


原理はシンプルでLEDライトとカラー凸レンズを組み合わせ壁に色のついた円形の光を映し出すというプロジェクションランプです。私が購入したのはその名のごとく、夕日のようなオレンジ色のものと、中心の白から外に向かって青、紫、オレンジのグラデーションになっているものを研究用という名目で購入してみました。


まず、夕日色の方を点灯してみたのですが・・・これがなかなかで、サハラ砂漠の夕陽もしくは、かつてさまよったマラケシュの広場の夕陽を思わせる懐かしい少し土の香りのするオレンジ色だったのです。

外輪が虹のような弧を描いて滲んでいるのが格別で、そのにじむエッジに凝縮された一日の時間を感じるといった光のテイスティング・コメントになりました。


紫系ライトを壁に照らしたところ
紫系レンズは、よりいろんなアソビを引き出してくれそうです。 Photo by LIGHTDESIGN INC.

一方、紫系グラデーションのほうは真ん中が青白くそこから周辺に向かって薄い紫に転じて外輪はまたオレンジと濃い紫が二重の輪を作っています。


こちらも人工的な色というよりかは、どこかの自然の景色にありそうな色合いで、例えるならば飛行機の窓から望む地平線・・・はたまた宇宙空間から見た丸い地球のエッジがこんな風に見えるんじゃないか・・・といった壮大な気持ちにさせます。


あるいは滲むエッジは大気の層であり、宇宙との境界線、その境界線を越えるのは科学と人間の想像力なのさ・・・みたいな楽しいコメントがいただけそうですね!

 

手軽さがミソ!


この照明器具の良いところは、第一に目的がよくわからないところでしょうか! 照明器具といえば、たとえば「学習用」とか「読書用」とか照明の機能的な役割を明確にすることが求められてきた中で、この照明器具はそのことをはっきりと定義することなく、「こんなの面白いでしょう!」みたいなノリで作りながらすごく面白いとユーザーの右脳を鷲掴みにしている点です。


また第二には電源がUSBで、私たちの今の暮らしの中で必要不可欠なPCやスマートフォンとの互換性に優れている点です。いちいち専用の電源チャージ器が不要なのは気持ちが軽くなります。そして第三には、価格が安い点とネット購入のためすぐに手元に届く訴求力の高さがあります。


いろいろと遊んでみると、壁との距離感で光の円の大きさを変えられるので、冒頭の写真のように手持ちのオブジェクトに照らせばサハラの夕陽を背に4輪駆動自動車を駆る姿が・・・といった美しい影色がその妄想をより深くしてくれるのです。


一方、紫系レンズのほうは外輪の輪っかの色のコントラストが強いので、私が写真上でやっているように自分の頭の背景に照らせばまるで後光のようになったり、飛行機の影絵を出せばどこかのはるか遠い国の空港を思い起こさせるような気さえしてきます。


職業として照明を扱う人だけでなく、たくさんの人が、照明ってこうやって楽しめば良いじゃない?!これと組み合わせたら面白いじゃない?!と遊びゴコロで使える照明、そんなガジェットが広く登場してきているのは、興味深い状況になってきましたね!



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